JFN Association

全国FM放送協議会(JFN)

「JFN Association」は、JFNネットワーク、及び、加盟38社の各種活動情報(番組、イベント、営業展開等)を掲載しているWeb広報誌です。

2025年度JFN営業責任者会議

2026年1月22日(木)開催

●講演:全国農業協同組合連合会 広報・調査部 部長 澤田 洋志氏
テーマ:JFNの皆さまへ、全農からのお願い

2025年度のJFN営業責任者会議が、2026年1月22日(木)に開催されました。
第一部では、全国農業協同組合連合会 広報・調査部部長 澤田洋志氏をお招きし、「JFNの皆さまへ、全農からのお願い」と題して、JAグループと全農の役割、メディア活用の重要性についてご講演いただきました。講演後の質疑応答も活発な意見が交わされ、番組制作にも精通した澤田様からの興味深い講演内容に参加者一同、熱心に聞き入っていました。

■多彩なキャリアと功績
1993年に全国農業協同組合連合会(全農)に入会した澤田氏は、研究所でのマーケティング商品開発、総合企画部での農水省との交渉、広報部門での広報戦略立案など多岐にわたる業務を経て、2017年にTOKYO FMへ出向。早朝番組『クロノス』で5分コーナーの番組制作も経験。全農に帰任してから複数部署を歴任して、2024年、全農広報・調査部の部長に着任。広報では、卓球の石川佳純さんの起用や、カーリングのスポンサーになるなど、全農のPRに大きく貢献しています。

■ JAと全農の関係
まず、自身が所属する「全農」の名称、そしてJAとの関係についての説明がありました。澤田氏が所属する全農(全国農業協同組合連合会)は、一般的に「JA」と呼ばれる地域の農協とは異なる組織であること。JAグループの中で全国段階の経済事業を担う全農グループ(約140社)があり、その中核となっているのが全農です。「JA全農」というのは愛称なので、全農のことを“JA”と略して称することは誤りであることを紹介しました。

■提供番組の今後の展開
現在、全農が提供している番組は3つあります。2012年10月に提供開始した『COUNTDOWN JAPAN』は2013年4月から冠提供となり、同月、『あぐりずむ』の冠提供もスタートしました。朝の全国ネットワイド『クロノス』内で2018年4月に提供開始したコーナー「TODAY’S AGRINEWS」は、後番組『ONE MORNING』内のコーナー「食と農を未来へつなぐ」として継続しています。以前は、AM局で番組提供していましたが、結果的に聴取層が高年齢層に偏ってしまい、狙っていた若年層への「全農」の認知度向上に効果がみられなかったことから、若いリスナーが多いFM番組へと方向転換し、現在に至っています。提供中止の説得に、少し苦労したというエピソードも披露しながら、2つの番組の狙いと今後の展開についてのプレゼンテーションがありました。

『COUNTDOWN JAPAN』
・若年層への認知拡大⇒2025年4月からは、JFN平日夜の中高生向けワイド番組「SCHOOL OF LOCK!」のとーやま校長として人気を集めた遠山大輔さんと、元日向坂46の潮紗理奈さんをパーソナリティに起用して番組内容も刷新し、認知度のイメージの向上を図る。
・地域・産地のPR強化⇒出張生放送で、パーソナリティが特産品を実食し、生産者と交流することでリアルな魅力を発信。
・SNSやコラボ企画の強化⇒SNS活用や他番組・JFN各局とのコラボを通じ、イベントなどの開催でリスナーとの距離を縮める。

『あぐりずむ』
現場取材の強化⇒農業と食に関する関心と理解向上を目的に、パーソナリティの川瀬良子さんが全国各地を訪れ、地域の現状や課題をリアルに発信する地域PRをしていきたい。
体験と連携⇒リスナー参加型の農業体験ツアーや、他番組、SNSとの連携をはかっていきたい。
JFN各局との相乗効果⇒リポーターによる地域紹介の電話取材を復活させたい。

澤田氏は、『COUNTDOWN JAPAN』と『あぐりずむ』とのコラボ実施に対する意欲も語り、掛け算によるPR波及効果も考えての番組作りを目指して、番組制作スタッフへの協力も求めました。

■JFNへ求めること
JAグループの出版・文化事業を担う家の光協会が実施した調査によると、農家では1日約2時間ラジオが聴かれているというデータを引用。作業中でも手を止めずに情報を得られるラジオは、農家が最も重視する「時間・天気・市場情報」を届けるのに適しており、農家にとって最も身近なメディアと言えます。また、澤田氏は「農家は音楽だけではなく、情報が詰まった語りを求めている」と述べ、パーソナリティの言葉の重要性も強調しました。ネット上の不確かな口コミ情報が信頼性を失う中、「百見は一聞に如かず」という独自の言葉を紹介し、パーソナリティが実際に現地で味わい、触れた事実を自身の言葉で届けることこそが、情報過多の時代において最も信頼される手段になりうると述べています。さらに、人口減少・メディアの多様化が加速する中、新規リスナーの獲得に躍起になるよりもradikoのデータを活用して、リスナーの反応や離脱を分析し、現在のリスナーを掴んで離さないためのコンテンツ作りの重要性も訴えました。

■質疑応答とまとめ
講演終了後も活発な質問が飛び交う中、澤田氏は「農業はリアルな体験と声で伝えることが不可欠」と締めくくり、地域・メディア・全農が連携し、農業理解を全国へ広めていく必要性を強く訴えました。2050年には農業人口が約5分の1に減少するという予測があり、人力に頼る農業は維持できないと現状を示しながら、全農では、埼玉県幸手市で実験農場「ゆめファーム」を立ち上げ、機械化・施設園芸を組み合わせた次世代農業モデルの構築を進めていることも紹介してくださいました。全農が「少人数で大規模生産が可能になる未来」を見据え、技術投資を続けている中で、ラジオメディアが、農業の未来にいかに貢献していくかを考える貴重な機会となりました。
多忙を極める中、JFNネットワークのためにご講演くださった澤田部長に、心より感謝いたします。