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日本航空宣伝部部長
辻 清氏
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特別審査委員長
天野祐吉氏
(コラムニスト)
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特別審査委員
小野田隆雄氏
(コピーライター) |
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特別審査委員
弘兼憲史氏
(漫画家) |
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続いて登壇した小野田隆雄氏は、「CMをずっと聴いていて考えたことは、私自身もそうですが、20秒のCMを作るとき、気を付けないと、20秒でどれだけ言えるだろうと考えてしまう。20秒の場合は、いちばん言いたいことをまず考えようじゃないか、そういうCMの方がきちんと聴くんじゃないかと。そういう意味では、今回受賞したFM石川の作品は、匂いというものをつかまえてきたこと、そういうつかまえ方は非常に素晴らしかったんじゃないかと思います。一方で、21秒以上のCMは、実際には、30秒以上のものが多かった。30秒と20秒では、相当違うと思います。30秒だと何でも言えそうな気がするのですが、もしかすると何を言ったらいけない、というのが大事になってくるのではないでしょうか。言っちゃいけないことを言わずにどうするかを考えていくのが、長いコマーシャルの手法なのかな、と作品を聴きながら考えていました。それから、統一部門日本航空のCMですが、たった20秒の中で夏の旅を伝えるのは、すさまじく難しい。もしやれと言われたら、自分はできるかどうか分からない。そういう意味で、"匂い"とかいくつか素晴らしい作品が出たことは嬉しかったと思います」と述べた。
最後に特別審査委員長を務めた天野祐吉氏は、「ちょうど今、広告の土俵が大きく変わろうとしている時だと思います。皆さんの周辺でもウェブの台頭が、広告の土俵を変えている。多分、今までと同じような方法論で、同じ延長線上で広告を考えていると、広告はうまく機能しなくなるかもしれない、という大きな曲がり角にあることが確実な気がしています。ただ、広告の土俵は変わっても、広告の本質はまったく変わらないと思っています。優れた広告には時代を超えてオリジナリティがある、クリエイティビティがあると言ってもいいと思うんです。それはやっぱり、誰とも同じようなことを絶対にしない発想だと思います。どこかで聴いたな、どこかで見たな、ということは絶対に言わない。意地でもやらない。それがオリジナリティ、クリエイティブの基本的な精神だと僕は思っています。そういう点で、日本航空の"匂い"は、他の人が考えつかなかったことを考えつかれた。そこが素晴らしかったと思いました」
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次に企画部門各賞の表彰が行われた。今年度の企画部門の申請件数は、27社48件の中から、大賞が1件、優秀賞が3件、奨励賞2件、特別賞が1件選ばれ、それぞれ賞状とトロフィーが授与された。大賞は、TOKYO FM「SEIKO presents ゆく年くる年〜一秒の言葉」が獲得した。
最後に、冨木田道臣JFN賞選考委員会委員長、TOKYO FM代表取締役社長から謝辞が述べられ2009年のJFN賞各賞の授賞式は、滞りなく終了した。 |
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